うみの苦しみ
齢32歳。若年おじさん。初めて痔になった。
前日の診察から1日。サディスト先生のサディスティック診察のせいで痛みは増し熱は上がり、「こんなんあと1週間も耐えられるか!」と、嫌がるわたしの背中をゴリゴリ押す配偶者の指示で泣く泣く同じ病院へ。
同じ先生(細身の男性。眼鏡)の「んー、まぁじゃあせっかく来たしやりますか。ただし、”相当”痛いですよ」の言葉で再来院を後悔するも、言葉を発する間もなく、増えた看護師により施術の準備が進められお尻を出したまま拘束されるわたし(32歳、3児の父)。
わたし「あの、麻酔は…?」
先生「打ちますけど、まず麻酔を打つのが痛いです。場所が場所なんで」
わたし「あー…」
先生「あと、膿んじゃってると麻酔自体もほとんど効かないんですよねー」
わたし「あー…(いろいろ諦めハンカチを噛むわたし)」
先生「おっ、ハンカチ噛んだ!」
「おっ」じゃねぇよ。おそらくハンカチがなければ叫び声を上げていたであろう激烈な痛み。前日の人生最大を軽く更新。麻酔の注射はかなり痛い。メスはそうでもない。膿を押し出す痛みは、完全に未体験ゾーンだった。
第一次臨界点を迎えるも、「そうだ、呼吸だ!呼吸で痛みを逃すんだ!3人の出産に立ち会った俺なら出来る!」と某鬼滅の主人公が言いそうにない発想で臨界点を乗り切るわたし。
第二の臨界点。時間。長い。死ぬ。
「あと1分続いたら暴れてやる」と決心したところで「終わりましたよ。見た目より溜まってましたね。これでだいぶスッキリする筈です」と非サディスティックなコメントで施術を締め括る先生。
物理的に切り傷があるので当然痛いが、憑き物が取れたように身体が楽になる。ありがとう先生。
(その後数日は消毒&残存する膿を出す為に連日病院に通い、麻酔なしの痛みが続くのだが、それはまた別のお話…)
(※2022/10/17の日記を2023/1/11に転記)